女子の池江璃花子(18=ルネサンス)が、同100メートル自由形で日本新の52秒79で優勝した。前半を25秒84で折り返し、75メートルからペースアップ。自身の記録を0秒24も更新した。

昨夏の世界選手権に当てはめると表彰台まで0秒10の好タイムをたたきだした。10月から標高2200メートルに相当する低酸素室で毎日30分間、バイクをこいで心肺機能をアップ。調整なしの試合で好記録を出し、進化を証明した。

池江が、冬の辰巳で日本新を出した。白井、大橋らを大きく引き離して早々と1人旅。ラスト25メートルでさらにペースを上げた。「75メートルまで8割の力。もしかしたらベスト(53秒03)いけるかも、と思ったけど、まさか52秒7台とは思わなかった」と喜びを口にした。

このタイムは、昨年世界選手権の表彰台まであと0秒10。2年前の16年リオデジャネイロ・オリンピックならば銅メダル相当。自由形は海外勢の壁が厚く、池江は「決勝でビリにならないように」といったこともある。そんな種目で好記録を出し「世界のトップに離されていると思っていたけど、少しずつ近づいている」と手応えを口にした。

10月から標高2200メートル相当の低酸素室でバイクトレを導入。「眠くなっちゃうんです」といいながら日課にする。一緒にバイクをこぐ三木コーチは「持久的な不安を補えている」。

前日17日は、人生初の800メートル自由形で最下位だった。その夜は三木コーチと夕食をとった。最初の5分だけが反省会で「忘れろ」と言われた。「悪いことを引きずらない、頭の切り替えが早いのも彼女の長所」と三木コーチ。池江は「次のレースで、頑張る」と発奮した。本命の100メートルバタフライに加えて、100メートル、200メートルの自由形でも世界のメダルが夢ではなくなってきた。【益田一弘】