レスリング女子の日本代表が19日、味の素ナショナルトレーニングセンターで合宿を公開し、西口強化本部長は、20年東京五輪の代表選考会の1つである来年6月の全日本選抜選手権の予選会を、同5月中旬に女子では初めて実施すると話した。

昨年までの女子の出場権は、各階級、前年の全日本選手権(駒沢体育館)の上位4人と、強化委員会が推薦する8人の選手に出場権を与えられてきたが、一連のパワハラ問題で指摘されてきた代表選考を透明化するため、推薦枠をなくす。西口強化本部長は「予選会の実施は現場からの強い要望。誰もが分かる選考にする」と話した。

20年東京五輪出場へは、12月20日開幕の全日本選手権(駒沢体育館)と全日本選抜選手権を制し、19年世界選手権代表入りし、メダルを取れば、出場権が与えられる。さらに、世界選手権で上位6選手の国・地域に五輪出場枠が与えられ、4~6位内で枠を獲得した選手が、同年の全日本選手権で優勝すれば代表に決まる。異なる優勝者が出た場合に、出場枠獲得者との間でプレーオフを実施し、勝者が代表権を得られる。

16年リオデジャネイロ五輪後、大会に出場せず去就を明言していない吉田沙保里(36)が、12月の全日本選手権の出場を辞退した場合、東京五輪出場へ残された道は、この予選会に出場することが条件になる。なおかつ、全日本選抜選手権を勝ち、プレーオフを制さなければならないといういばらの道が待つ。西口強化本部長は「(吉田には)出てきて欲しいよね。もう1回強い姿をみたい。そこに奥野(春菜)さんらがチャレンジしてほしい」と話した。