ショートプログラム(SP)2位でシニア1年目の紀平梨花(16=関大KFSC)がグランプリ(GP)シリーズ2連勝を飾り、シリーズ2戦上位6人のGPファイナル(12月、カナダ・バンクーバー)初出場を決めた。

フリー138・28点の合計205・92点で、第4戦NHK杯(広島)に続く優勝。演技を終えると笑顔になり、観衆の拍手を全身で受け止めた。

SPでは大技トリプルアクセル(3回転半)が1回転半となり、0点となるミス。一夜明けたこの日は、冒頭でバランスを崩しながらも着氷し、2本目の3回転半は2回転半-3回転トーループへと切り替えて成功させた。そこからは大きなミスなく、次々とジャンプを決めて、完成度の高さで勝負。きっちりと演技をまとめ、頂点に立った。

GPデビュー戦前、ファイナルへの意識は「狙ってもいなかったようなくらいだった」。だが、NHK杯優勝で自信を深め「1位になれたということで、今からは『チャンスができた』っていう風に思ったので、やっぱり狙っていけるようにしていきたい」と力強く言い切っていた。平昌五輪銀メダルのメドベージェワ(ロシア)らを上回った16歳が、世界トップが集う大舞台へと進む。