女子SPで今季負け知らずの16歳、紀平梨花(関大KFSC)が82・51点とルール改正後の世界最高点を記録し、首位発進した。

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最後までスピードにのった紀平選手の演技は、とても完成度が高いものでした。ジャンプ、ステップ、スピン、つなぎなどを含め1つ1つの要素がまるで滑らかな滑りの中に溶け込んでいるようでした。今季まだ完璧な演技が出来ていなかっただけに、SPが鍵になると思っていましたが、練習と同じように落ち着いた様子で力を出し切りました。

ザギトワ選手も含めほとんどの選手が大きなミスのない勝負。その中で紀平さんが突出したのは、1つ1つの要素の出来栄え点(GOE)です。トリプルアクセルは軸がまっすぐでスピードも抜群。高く滑らかな軌道を描く完璧な出来で、1人のジャッジが満点の5を付けるほどでした。フリーで連続技を含めトリプルアクセル2本を確実に決め、各要素を質の高いものでそろえることで完全優勝も夢ではありません。坂本、宮原両選手も上位と僅差。それぞれの力を出せば表彰台も十分狙えます。(カルガリーオリンピック代表)