日本体操協会は10日、都内で臨時理事会を開き、リオデジャネイロ五輪女子代表の宮川紗江(19)が明らかにした一連のパワハラ騒動で資格停止になっていた塚原光男副会長(70)、塚原千恵子女子強化本部長(71)に対し、処分を課さないことを決めた。
9月に設置された第三者委員会の答申を受けて、この日、議論した結果、パワハラはなかったと結論づけた。資格停止処分も解かれる模様。
<体操パワハラ問題経過>
◆7月11日 日本体操協会に速見コーチのパワハラに関する通報が入る
◆30日 協会が速見コーチに聞き取り調査。暴力行為を認める
◆8月13日 協会が速見コーチに無期限の登録抹消などの処分通知
◆20日 速見コーチが東京地裁に地位保全を求める仮処分の申し立て
◆21日 宮川選手が代理人弁護士を通じ「パワハラされたと感じていません」などと処分に疑義を呈す
◆22日 宮川選手が所属先のレインボーとの契約解除
◆29日 協会が「暴力は許容することはない」などと見解を発表。宮川が会見し「(処分の)重さは納得できない」など主張し、塚原夫妻から「パワハラを受けた」と告白
◆30日 協会が第三者委員会設置決定。塚原千恵子女子強化本部長が「私は黙ってない」と反論。
◆31日 速見コーチが仮処分の申し立てを取り下げる。塚原千恵子女子強化本部長らが訴えに対する見解を文書で公表。その中で証拠とする録音テープの存在を公表
◆2日 塚原夫妻が「宮川選手に直接謝罪したい」との文書を発表
◆5日 速見コーチが会見。暴力行為を謝罪し、改心した上で宮川選手の指導を続けていきたい考えを示す。塚原女子強化部長が朝日生命への引き抜きを「していない」と否定した件は、真っ向否定
◆7日 協会が第三者委員会を設置
◆10日 協会が臨時理事会を開き、塚原光男副会長と塚原女子強化本部長の職務一時停止を決定