日本体操協会は10日、都内で臨時理事会を開き、リオデジャネイロオリンピック女子代表の宮川紗江選手(19=高須クリニック)へのパワハラ行為が認められなかったとして、塚原光男副会長(70)と塚原千恵子女子強化本部長(71)に科していた一時職務停止を解除したと発表した。問題を調査した第三者委員会は、塚原夫妻に不適切な点が多々あったと指摘したが、パワハラの事実は認定せず、処分に至らなかった。宮川選手は複雑な心境を表明した。

宮川選手は10日、結果について「とにかく信じられない」と弁護士を通じてコメント。ただその後に更新した自身のツイッターでは前向きな姿勢も示した。「色々と複雑な心境もありますが、沢山の支えでこれからも頑張っていけそうです。12月より徳洲会クラブさんから練習場所の提供をしてもらえることになりました。高須院長はじめ徳洲会体操クラブさんに感謝してこれから頑張っていきたいと思います。応援宜しくお願いします」とつづり、新たな練習拠点を得たことを明かした。

宮川選手を教える速見佑斗コーチ(35)もコメントし、「言った言わない、はあるにせよ、少なくともNTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)の利用、海外遠征派遣に制限があったことは認めてもらいたい」と主張した。

宮川選手は速見コーチとともに今月から本格的な練習を再開しているが、今後の大会への参加は未定。代理人の山口弁護士は今回の調査結果に対し、あらためて2人の文書などを発表する方向とし、「法的措置は取らないと思う」と話した。