男子シングルスで、世界ランク5位の張本智和(15=エリートアカデミー)が、初優勝に王手をかけた。準決勝で世界ランク6位のカルデラノ(ブラジル)と対戦。4-0で勝利した。

22歳の相手を寄せ付けずに、勝利した。強烈なフォアハンドを次々とたたき込んで、相手を圧倒。第4ゲームは10-5から相手の球がアウト。両拳を握って、雄たけびを上げた。

決勝進出に「大会前はまさかここまで来られるとは思わなくて、うれしいけど、あと一つ勝つまで満足しないように頑張ります」と口にした。

第3ゲームの頭には相手のスーパープレーが飛び出した。張本のフォアを、卓球台から離れたカルデラノが両手のバックハンドでリターン。まるでテニスのような技に、会場もわき上がった。張本はなすすべなく球を見送ってポイントを奪われたが、その後も試合の主導権を渡さなかった。

勝利インタビューで「両手バックハンド」について質問されると「全く予想できなかった。相手のスーパープレーでした」。「張本選手が次はあの技を使いますか?」と質問されて「ああいう技はできないです。カルデラノ選手だからできたと思う」と冷静に答えた。ド派手は技ではなく、盤石の試合運びで、16日の決勝に進出した。

今年1月に史上最年少の当時14歳で全日本選手権を制して快進撃。世界ランク5位になって「上に4人しかいないのであと4人抜かすつもりで」と口にした意気込みを、そのまま実行した。世界トップクラスに浮上した飛躍の1年を初優勝で締めくくる構えだ。