小林陵侑(22=土屋ホーム)が1回目135メートルで4位につけると、2回目は137.5メートルを飛び、合計282.1点で優勝した。

記録ずくめの勝利となった。今年で67回を数える伝統のジャンプ週間で4戦4勝の「完全総合優勝」は史上3人目で、日本勢の総合優勝は1997~98年シーズンの船木和喜以来2人目。W杯通算、シーズンともに8勝目となったが、こちらは自身が持つ日本勢のW杯シーズン最多記録を「8」に更新、W杯連勝記録も「5」に伸ばした。

世界中のジャンパーがあこがれる年末年始の4連戦では、勝負強さが際立った。第1戦を飛距離換算50センチ以下の僅差でものにすると、第2戦も1メートル強の際どい勝利で連勝。勢いをつけると、第3戦は7メートル以上の差をつけて圧勝し、最終第4戦も臆することなく勝ちきった

昨季まではW杯勝利どころか表彰台さえなかったが、昨年2月の平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)ノーマルヒル7位入賞が転機となった。自信と手応えを得て今季を迎えていた。開幕前の目標は「まずは最低限でもW杯1勝」と控えめだったが、本人も予想できない好結果を続け、ジャンプ週間の総合優勝まで手にした。

W杯個人総合でも、11戦終了時点で900点台に乗せ、独走状態。日本男子では初のシーズン総合優勝に向けて、勢いを加速させた。