今季W杯未勝利と苦しんでいる高梨沙羅(22=クラレ)が、今季自己最高位タイとなる2位に食い込んだ。

1回目92メートルで2位につけ、2回目も94メートルにまとめ、合計203・5点で、3戦ぶりに今季4度目の表彰台。12、13日の札幌2連戦は11、8位と振るわなかったが、復調の兆しが見えてきた。優勝はダニエラ・イラシュコ(オーストリア)で今季2勝目、通算15勝目。

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肩の荷が少しだけ下りた。悪天候で前日17日に続いて予選が中止になり、ぶっつけ本番となった1回目。向かい風を受けた高梨は92メートルで2位につけた。2回目も94メートルで順位をキープし、今季W杯国内3戦目でようやく表彰台に上がると「ずっと張り詰めていたものが、やっと楽になった。素直にうれしい」と表情は明るかった。

今季テーマ「挑戦」を貫いた。助走路の姿勢に試行錯誤しており、札幌2連戦は助走路でゆっくりポジションを組んで11位、8位。緩やかな傾斜の蔵王では素早く姿勢を組む形へと修正した。「違うことを試すのはリスキーだけどつながって良かった。良い収穫」。前回2位となったプレマノン大会(フランス)では1位と約10点差あったが今回は1・7点差と肉薄した。「調子が悪い中で良くなる兆しが見えた。手応えは少しずつ感じられる」。今季初白星は手の届くところにある。