14歳で快進撃を続ける木原美悠(みゆう、エリートアカデミー)が男女通じて最年少優勝へ、決勝進出を決めた。5年前に準優勝した森さくら(22=日本生命)を4-2で破った。同日の決勝で伊藤美誠(18)を破り14歳170日での優勝となれば、14歳208日で前回男子優勝の張本智和を抜き、史上最年少の王者となる。

「信じられないくらいうれしいです」。試合後、中学2年生はニコニコしながら素直な気持ちを口にした。

第1ゲームこそ6-11と失うが、焦りはない。第2ゲーム途中から流れをつかむと、11-4と奪い返す。第3ゲームは12-12から14-12と競り合いを制して、連取。完全に勢いに乗ると第4ゲームも取って勝利を決定づけた。テレビ解説の福原愛さんが「ひょうひょうとしている」と驚くほど、堂々としたプレーだった。

目標の存在にまた1歩近づいた。前日19日の準々決勝後、1学年上の張本についてふれた。「張本選手が去年、中学生で優勝して、その時に『自分も2年生になったら優勝したいな』と刺激を受けていました」。兵庫・明石市出身の中2は、右肩上がりで成長を遂げる男子の新星と、自らの1年後を重ね合わせた。

5回戦では2年前の女王平野美宇(日本生命)を破り、大きな注目を集めた。主戦場のはずだったジュニア女子では準決勝で大藤沙月(ミキハウスJSC)に0-3のストレートで敗れ、4強止まり。「ジュニアで負けて少し自信がなくなったけれど、気持ちを切り替えていけている」。決勝の伊藤戦へ「伊藤選手はすごく強い。思い切った自分のプレーを出して優勝したい」。あどけなさの残る14歳の勢いが止まらない。