14歳の新星、木原美悠(みゆう、エリートアカデミー)が男女通じての最年少優勝を逃した。前年王者の伊藤美誠(18=スターツ)に1-4で敗戦。第1ゲームからジュース戦まで追い込んだが、11-13と取り切れず、王者の貫禄を見せつけられた。

14歳170日での優勝となれば、14歳208日で前回男子優勝の張本智和を抜き、史上最年少の王者となるはずだったが、及ばなかった。

取材エリアに入った木原は終始笑顔。「ジュニアで決勝に行くことが目標だったのに、一般で来られるなんてすごい。準優勝はうれしいです。今後の大会は全日本で準優勝したんだということを思い出して、自信を持って臨みたい」と晴れやかに言った。女子ジュニアでは準決勝で敗れていた。

2年連続3冠を果たした伊藤の技に目を丸くした。「映像で見ていると返せそうな球でしたが、実際に受けてみると回転量が多くて、うーん、変な回転がかかっててとてもやりづらかったです」と振り返った。

5回戦では2年前の女王平野美宇(日本生命)を破り、注目された。金星に家族が「平野さんはどうだった?」と聞くと、興奮した様子はなく淡々と「まあまあだった」と言った。今大会の組み合わせから、まずは平野を倒すことが目標だったが、達成しても一喜一憂することはなかった。

今大会のジュニアで負けた後、コーチ陣と会議の場を持った。一般の部は試合と思わず、練習と思って戦う方針を固めた。それが奏功し、リードを許しても気持ちの浮き沈みが生まれなかった。

小学生までは集中力が足りないと言われた。「競った試合が嫌いでした」。最後まで粘れるメンタルがなかなかつくれなかったが、中学に入り、兵庫県明石市の実家からエリートアカデミー入校のため、東京に寄宿してから、徐々に精神力が成長した。

19年をどう過ごしたいかと問われ「(11月開幕の)世界ジュニアなど大きな大会で優勝して、2020年の東京五輪に向けて、今から必死に頑張っていきたい」と木原。全日本決勝という新たな世界を見た14歳の目は、希望に満ちていた。