20年東京五輪新競技スポーツクライミング・ボルダリングの昨季W杯年間女王、野中生萌(みほう、21)がスマートフォンゲーム「モンスターストライク」などを手がける、株式会社ミクシィのエンターテインメント事業を担う新ブランド「XFLAGスタジオ」と所属契約を結んだことが21日、分かった。近日中に発表される。東京五輪メダル候補のヒロインが最高のサポート態勢を得た。

東京五輪メダル候補のW杯女王野中が、有力なバックアップを得た。株式会社ミクシィのXFLAGスタジオと複数年の所属契約を結んだことが判明。同社は、東京五輪後のサポートも視野に入れているという。野中個人のユニホームや滑り止めチョークを入れるバッグに「XFLAG」のロゴが入る。「今年から五輪の選考も始まるので、新しい気持ち」とサポートに感謝し、笑顔をみせた。

26、27日に行われるボルダリング代表を決めるボルダリングジャパンカップが同ユニホームでの初試合。これまでは春に開幕するW杯に集中し、調整の意味合いが強かったが「国内で成績を出してこなかったことが引っ掛かる。今年は優勝を狙う」。最高のサポート態勢に、初優勝という結果で応えたい。

16年に東京五輪追加競技に決まって以来、クライミング界は急激に変化している。日本にほとんどなかったスピード種目の練習環境も整備が進む。野中はクラウドファンディングで資金を集め、東京23区内初のスピード壁を立大に設置したばかり。「責任を持って、クライミングを良い方向に広げたい」。超人気のスマホゲーム、世界にも広がるモンストを手がけ大ヒットさせた同社とのタッグにも「何か新しいおもしろいことを」と期待を寄せる。

同社はスケートボードの堀米雄斗、Jリーグ東京、Bリーグ千葉などのスポンサーも務めスポーツにも力を入れる。担当者は「ゲームユーザーでもある若い世代に共感できる取り組みをしたい」と話しており、今後の展開にも注目だ。

◆野中生萌(のなか・みほう)1997年(平9)5月21日、東京生まれ。生萌の名は若葉萌(も)える5月生まれから。9歳でクライミングを始め、13年に14歳でリードのW杯日本代表に初選出、16歳でボルダリングW杯初参戦。18年のボルダリングW杯で自身初の年間女王に輝いた。スピード女子日本記録保持者。16年からは自身がプロデュースする女性限定の大会「Rock Queens」も開催。162センチ。家族は両親と3姉妹。

◆XFLAGスタジオ 株式会社ミクシィで、スマートフォンゲーム「モンスターストライク」などを手がける。仲間で楽しむ同ゲームの特性とスポーツの熱狂との親和性をもとにスポーツ支援に注力している。