ベスト8に進出した世界9位、錦織圭(29=日清食品)の準々決勝は、日本時間23日午後5時以降開始のセンターコート夜の部第1試合に組み込まれた。錦織は世界王者ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。

大会前の1月10日だった。今大会のシングルス本戦ドローの組み合わせ抽選が行われた。錦織は、魅入られたように、順当に勝ち上がれば準々決勝でジョコビッチと対戦するブロックに入った。他のブロックに入る可能性もあっただけに、ジョコビッチとの関係性の深さが垣間見られた抽選だった。

対戦成績は錦織から2勝15敗と大きく負け越している。対戦前に錦織がケガで棄権した試合が2度あり、対戦機会は19度にもなる。錦織にとって最も多く対戦した選手。4大大会では5度、マスターズ大会決勝では2度対戦し、14年全米オープン準決勝を除き、厚い壁を破れない。

錦織が「崩し方が見えない」とこぼす、ただ1人の選手だ。プレースタイルは似ているが、安定感ではジョコビッチの方が数倍上。加えて今大会、錦織は5セット試合を3度戦い、4試合で合計13時間47分も戦い抜いた。ジョコビッチは9時間44分で、錦織は4時間以上も長くコートにいたことになる。

疲労はあるものの「足はきつかったが、本当にタフになった」と、ケガの兆候はない。今大会の第1サーブ得点率など、カギとなる統計はほぼ互角だ。凡ミスの数は、錦織が1ゲーム平均0・7本に対し、ジョコビッチは平均1・02本。錦織の方が安定している。

準々決勝を翌日に控えたこの日、錦織は練習をキャンセルした。世界ランキング1位との大一番に向け「リカバリーが先決」と語っていたように、関係者によると休養と回復に努めたという。日本男子87年ぶりの全豪ベスト4に向け、今度こそ打倒ジョコビッチを成し遂げる。