世界4位の大坂なおみ(21=日清食品)が、男女を通じて日本人初の全豪シングルス女王の快挙を達成した。同6位のペトラ・クビトバ(チェコ)との頂上決戦を7-6、5-7、6-4で制し、28日発表予定の最新世界ランキングで、アジア初のシングルス世界1位も確定した。18年全米に引き続き4大大会2大会連続優勝は、14年全米から4大会連続で制したS・ウィリアムズ(米国)以来となった。

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大坂がウイニングショットを決めると、コート上でうずくまった。ついに世界の女王となった。全米に続く全豪優勝で、世界の頂点まで上り詰めた。勝った方が4大大会の優勝と世界1位を手にする、まさに頂上決戦。その大舞台でも、全くひるむことなく、いつものように左手でガッツポーズをつくり、「カモーン!」を連発した。

クビトバとは初対戦だった。ともに身長180センチを超す長身で、パワーもある。矢のようなストロークが、コート上を行き来した。相手は左利きでもあり、大坂の対応力が心配された。第1セットから相手のワイドのサーブに苦しめられ左右に大きく振られた。それでも「初対戦が全豪の決勝。こんなにすてきなことはない」と話していたように、その心配も吹き飛ばした。5度のブレークチャンスを与えたが、持ち前の粘りでしのぎ、タイブレークに持ち込むと、強烈なサーブで相手を圧倒、第1セットを奪った。

第2セットに入ると、お互いにブレークをしあう展開。両者我慢の展開となったが、大坂は丁寧に相手のショットを返してラリーを続け、勝負どころでのクビトバのミスを誘って試合を優位に進めた。ところが第9ゲームで40-0という3度のチャンピオンシップポイントがありながら、ブレークできず、ファイナルセットに持ち込まれた。

いら立ちをあらわにしたまま第3セットに入った大坂だったが、先にブレークして優位に試合を進め、日本人初の快挙を成し遂げた。

昨年9月に全米を制し、日本のテニス界の歴史を変え、一気に注目を浴びた。それでも自分のテニスを忘れず、成長を続けた。4大大会連続優勝はS・ウィリアムズ以来。S・ウィリアムズが姉ビーナスとともに築き上げたウィリアムズ時代が幕を閉じ、数年を経て、今度は確実に大坂なおみの時代がやってくる。

▽大坂なおみの話 ペトラ(クビトバ)おめでとう。最初の対戦がこんな結果で申し訳なかったけど、いい試合だった。ファンの皆さん、暑い日でも応援に来てくれてとても感謝してます。トーナメントを実現してくれた方々、チームの人たち、みんながいなければここまで戦えなかった。支えてくれてありがとうございます。

◆WOWOW放送 全豪オープン。1月14~27日、連日生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信。