初優勝を目指す宇野昌磨(21=トヨタ自動車)が91・76点を記録し、4位発進した。

宇野は3つのジャンプのうち2つで着氷が乱れた。得点が伸びず「練習してこなかったので悔しいという権利はない。この構成で試合に挑んでいるので、まとめなきゃと思っていたけれど、今の実力はこれ。失敗を恐れずにやったらよかった」と話した。

3連覇を果たした18年12月の全日本選手権で、右足首を捻挫。以降も2度、同じ箇所をひねり、満足のいく練習が積めないまま、欧州以外の国・地域(アメリカ、アジア、オセアニア、アフリカの4大陸)の実力者が集う大会に参戦した。

今季最大の舞台は3月の世界選手権(さいたま市)。足の状態次第では棄権の選択肢もあるように思うが、SP前日の6日に宇野は言い切った。

「僕は歩けているうちは出られると思っている。(棄権が頭をよぎることは)あんまりないかな」

全日本選手権後は10日ほど氷上練習をやめて「すごくのんびりしていました」。捻挫が再発すると休養を取った1カ月間は「不安もありましたけれど、不安になったり、焦ったりしたからって自分が落ち込んだり、機嫌が悪くなったり、物にあたっても何のプラスにもならない。スケートのことは前向きに考えながら、明るく過ごそうとしました」と意識改革も図った。

4大陸選手権は4年前から5、4、3、2位と、1歩ずつ進んできた。悲願の初優勝へ、9日(10日)のフリーでハンディをはね返す。