16年リオデジャネイロオリンピック競泳男子400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介(24=ブリヂストン)が、4月の日本選手権出場を見送ることになった。15日、マネジメント会社が発表した。現時点で競技復帰の時期は、白紙となった。

萩野は、2月のコナミオープンで精彩を欠いて、同19日からのスペイン高地合宿を回避して、国内で調整を進めていた。最近は練習の内容が試合で発揮できない状態が続いていた。モチベーションの維持に悩んで、スペイン合宿にいっていた平井伯昌コーチに対して「今の状態では苦しい」と見送りを伝えたという。

この日、スペイン合宿から帰国した平井伯昌コーチは「(電話で話した際は)さすがに元気がなかった。今は休みが必要だから、次にスタートした時は自分のために泳ぎなさい、といいました」と口にした。

復帰時期について、平井コーチは現時点で「白紙です。何も考えてないです。彼自身が決めること。1番大切なのは彼の意思」とした。4月の日本選手権は、7月の世界選手権韓国大会の代表選考を兼ねていた。日本水連は世界選手権で金メダルを獲得した選手を東京五輪の代表に内定することを決めている。平井コーチは「2020年(東京五輪)に向けて(世界選手権の選考会に)エントリーしないことはプラスではない。普通に考えれば、危機的状況ですが、プラスにすることを考えること」とした。

萩野はこの日、マネジメント会社を通じてコメントを発表した。

「このたび4月の日本選手権の出場を見送ることに決めました。2017年シーズンからなかなか自分が思うような結果が出ていませんでしたが、そのたびに『次また頑張ろう』という気持ちで頑張っていました。ただ、自分が『こうありたい』という理想と現実の結果の差が少しずつ自分の中で開いていき、モチベーションを保つことがきつくなっていきました。今シーズンに入って順調にトレーニングを積み、コナミオープンを楽しみにしていたのですが、期待していたタイムが出ませんでした。平井先生と相談をした上で、スペイン高地合宿も参加しないことを決め、気持ちの回復を待ちましたが、今は競技に正面から向き合える気持ちではないことを受け入れ、今回の決断にいたりました。応援してくださるファンの皆様、関係者の皆様には申し訳ない気持ちでいっぱいですが、厳しい意見も受け止める覚悟です。今回を機に、自分の心ともう1度しっかり向き合いたいと思います」。