男子ショートプログラム(SP)3位発進の羽生結弦(24=ANA)がフリー206・10点を記録し、合計300・97点とした。昨年のGPフィンランド大会で記録した自己ベストを大きく更新し、フリー、合計ともに今季世界最高点をたたき出した。

冒頭の4回転ループを成功。続く4回転サルコーこそ減点対象となったが、以降は力強いジャンプを日本のファンの前で披露し続けた。演技を終えるとガッツポーズを繰り出し、「ただいま!」と叫んだ。

21日のSPでは冒頭の4回転サルコーが2回転になった。右足首を負傷した昨年11月のGPロシア杯から4カ月ぶりの実戦で、悔しいミスが出た。「フリーで思い切り挽回したいな」「不完全燃焼なので、しっかりと燃焼し切れたと言える演技をしたい」と誓っていた。

この日午前に行われた練習では、冒頭のジャンプにほとんどの時間を費やした。曲をかけた通し練習以外で、最初の4回転ループと続く4回転サルコーまでのジャンプを計7度確認。SP翌日の22日の練習でも、8回連続で試すなど、4回転ループにこだわりを見せていた。ただ納得がいかなかったのか、40分間の練習が終わるとリンクサイドで居残り練習を開始。ブライアン・オーサー、ジスラン・ブリアン両コーチと、iPad(アイパッド)で映像を見ながら、振り付けやジャンプのタイミングなどを8分間確認してイメージを高めていた。