女子テニスで、世界1位の大坂なおみ(21=日清食品)が、20日に開幕する女子国別対抗戦フェド杯ワールドグループ2部入れ替え戦日本-オランダ(大阪・靱テニスセンター)の代表入りを辞退したことが8日、分かった。

大坂は翌週の22日から今季クレー(土)コート初戦となるポルシェ・グランプリ(ドイツ・シュツットガルト)に出場を予定している。ハードコートで行われるフェド杯を回避して、苦手なクレーに対し、早めの対策を重要視したようだ。5月26日には、クレーの4大大会、全仏が幕を開ける。

ただ、大坂にとって、20年東京五輪への出場条件には課題が残る。国際テニス連盟(ITF)は、五輪出場条件として、五輪間の4年に、代表戦に最低でも3回。その内、1回は19か20年の出場を義務づけている。大坂は、17年アジア・オセアニアゾーン、18年英国戦に出場しているため、残り1回の出場が五輪への出場条件となる。

今年は、オランダ戦で代表戦が終了するため、大坂にとって最後のチャンスは、20年だけだ。ただ、今回のオランダ戦で敗れると、20年、日本は地域のアジア・オセアニアゾーンに転落する。その地域での戦いは例年2月。そこで最上位にならないと、五輪前の代表戦は、その1回限りとなる。大坂としては、世界のトップながら、地域での戦いに出ざるを得ない状況に追い込まれる。

今回のオランダ戦に勝てば、日本はワールドグループ2部に残留。20年は、五輪前に、最低でも2回の代表戦が行われる。ITFから、日本協会には、大坂が五輪出場するには、残り1回代表戦が必要との通告が来ている。大坂が出場しない今回のオランダ戦の結果が、20年の大坂の代表戦出場に大きな影響を及ぼす。