フィギュアスケートで66年ぶりにオリンピック(五輪)2連覇を果たした羽生結弦(24=ANA)が20日、仙台市で行われた自身のモニュメントデザイン発表式に出席した。

上下黒のスーツに淡いピンク色のネクタイ姿で登場。2万113通の応募の中から抽選で選ばれた約600人のファンから大歓声で迎えられた。

モニュメントは18年平昌(ピョンチャン)五輪男子フリー「SEIMEI」での演技がデザインされている。同市が羽生の近年の活躍と功績を顕彰するために、日本フィギュアスケート発祥の地とされる「五色沼」そばの地下鉄東西線国際センター駅前に設置される。以下、記者会見での一問一答。

-2個目のモニュメント。率直な感想は

羽生 2連覇ということで、その2枚分の活躍をできたということは誇らしい。演技はあの場、あの場でしかなかったかもしれないけど、それが形として残るのは、五輪の金メダルは特別なものだなというのをあらためて感じました。

-モニュメントが増えると被災地、宮城、東北への観光客が増えると思う

羽生 先日ノートルダム大聖堂が燃えて、すぐにたくさんのお金が集まって再建、修理への気持ちが動いている。台湾も先日地震があって、被害があった。1人1人のすごい小さな力かもしれないけど、人間っていう1人1人の力が集まって、やっと復興とかにつながっていくと思う。その1人ずつがつながるきっかけになるのであれば、自分という媒体を通してつながってくださるのはうれしいこと。仙台にこのモニュメントがあるからこそできることだと思う。自分が仙台市民で良かったなと思うと同時に、これがきっかけになって、仙台、宮城県、東北、東日本、そういう大きな目で復興が進んでいったらいいなと思っています。

-「令和」でどんな伝説を作りたいか

羽生 4回転半に挑戦したい気持ちは強い。これから戦っていくに向けて、自分の武器となる何かを付け加えないといけないなという義務感がすごくある。

-デザインはどう思うか

羽生 写真からそのまま使われているという点に関して、すごく気に入っている。自分は滑っている瞬間が一番、羽生結弦になれていると思う。ソチ五輪から平昌五輪に向けてブレードの色が変わったりとか、そういう所まで繊細に作られている。そういった細かい所も見ていただけたらなと。

-羽生選手の夢は

羽生 1年前までの夢は4回転半を跳ぶことだった。それをやれば、夢は達成されると思っていた。ただ今の自分の気持ちとしては、4回転半は夢じゃなくて、習得してマスターしたいもの。近い、具体的な、挑戦するべきものみたいに思えている。だから4回転半を初めて公式試合できれいに決める人になりたい、っていうのが今の夢です。

-ファンの存在について

羽生 つらいことも、うれしいことも、もしかしたら自分よりつらくなったり、喜んでくれる存在だと思っています。そういう方々の思いが自分に還元されて、最終的に自分の演技になっているんじゃないかなと強く思う。一言で言うと、自分のスケートの源みたいな感じがしています。

-モニュメントのポーズ「SEIMEI」への気持ち

羽生 最初の冒頭の「ジャン」って鳴ってから、縦笛が流れているシーン。最初のポーズで天と地と人と全てをつかさどっている風に感じている。野村萬斎さんと話をさせていただいたときに色づけしてもらって、それを大切にしてこの演技をした。リンク全てを自分の支配下に置くみたいに、そういう強い気持ちや意味を持って滑っていました。