2年連続で同じ顔あわせとなった決勝は、世界2位のラファエル・ナダル(33=スペイン)が、12度目の全仏優勝を飾った。

同4位で、4大大会初優勝を狙ったドミニク・ティエム(オーストリア)に6-3、5-7、6-1、6-1で勝ち、12度の優勝は、4大大会1大会での優勝回数として、男女を通じて歴代最多となった。「初めて05年に来た時に、19年にまたここで優勝できるとは思わなかった。言葉にならない」。また、4大大会通算18度の優勝は、フェデラー(スイス)の持つ歴代最多20度の優勝に、残り2勝と迫った。

2度目のマッチポイントで、ティエムのフォアのリターンがアウトすると、ナダルは、そのまま赤土の上で大の字になった。ナダルは、セットを分け合った第3セットからギアをアップ。疲れからか集中力が落ちたティエムを圧倒した。第3、4セットで、1ゲームずつしか落とさない圧勝で勝利をつかんだ。

これで全仏は、05年に初出場初優勝を飾って以来、93勝2敗。驚異的な勝率だ。まさに全仏の絶対的な王者。無敵と言える。05年に初出場で1度も欠場がなく、今年が15年連続15度目の出場。それで12度の優勝なので、数字上は、本当は3敗していないとおかしい。

実際、成績だけを見れば、09年4回戦、15年ベスト8、16年3回戦と3度、優勝を逃している。なのに、なぜ2敗なのか。実は、16年の3回戦は、左手首のケガのため戦わずして棄権している。テニスの場合、戦わずして棄権した場合、勝敗に数えない。対戦していないという理由からだ。

15、16年と優勝を逃した2年は、故障から自信をなくし、バックハンドが完全に弱点だった。腕が縮こまり、回転過多で、全く球が飛ばず。そこを狙われ、勝てなくなった。しかし、現在のナダルは、バックが弱点どころか武器と言えるほどに復活。それが、ナダルの強さを支えている。

 

◆全仏オープンの興奮を再び。6月13日に、男女シングルス決勝ほかを、WOWOWライブで録画放送。