パワハラ問題で解任されていたレスリング女子の元日本代表監督の栄和人氏(59)が、至学館大(愛知)の監督に復帰することになった。同大が20日に復帰させる方針を決めた。12月に行われる全日本選手権(東京)の参加申し込みの締め切りが前日の19日で、書類に監督を書き込む必要があり、この日に発表となった。

栄氏は伊調馨らに対するパワーハラスメント問題で日本協会強化本部長を昨年4月に辞任し、同6月には常務理事も解任。同月に至学館大の監督も解任されていた。その後、同12月に公益財団法人の愛知県教育・スポーツ振興財団のスポーツアドバイザーに就任した。

国内の主要大会では観客席から試合を見守る姿が度々見られ、今年9月にカザフスタンで行われた世界選手権でもスタンドに姿があった。関係者によれば、同大のレスリング部でも外部コーチとして不定期に道場に顔を出し始め、指導にあたっていたという。

この時期に復帰に至ったのは、前監督の志土地翔大氏(32)が9月25日付で一身上の都合で退職したことも大きかった。後任を決める必要があり、全日本選手権を控えて、決断に至ったと見られる。日本代表の帯同コーチなどに復帰するかは、今後の強化本部会の判断などを仰ぐことになる。