フィギュアスケート男子の羽生結弦(25=ANA)が18日、東京・代々木第1体育館で行われた全日本選手権(19日開幕)の開会式に出席した。4年ぶりの出場へ、この日夕に拠点のカナダ・トロントから帰国。本番会場で行われた公式練習は回避したものの、開会式にはスーツにネクタイ姿で顔を出した。

高橋大輔、田中刑事の間に座ると2人と談笑。優勝杯の返還では拍手を送り、ルール説明時には発言者の方を向き、しっかりうなずいた。閉式後には高橋、宇野昌磨との記念撮影に応じた。

20日に行われる男子ショートプログラム(SP)の滑走順も決まり、羽生は23番(第4グループ5番目の予定)になった。このほか主な選手は高橋が28番、宇野が19番、田中が21番、島田高志郎が20番、ジュニアの佐藤駿が4番となった。

抽選後、羽生が報道陣の取材に対応。4年ぶりの舞台について「全日本だなという感じが、すごいしてます。すごく楽しいなって気持ちもあったんですけど、よりいっそう緊張感が強くなったりしてます。本当は開会式に来るまですごい緊張していて。居場所なかっただどうしようと思ってたんですけど。懐かしい面々もいましたし、何か、ちょっと言葉をかわせて良かったなと思います。くだらない話ばっかしてて、それがまず楽しかった。ただ、ここからはみんな敵。しっかり、ぶつかっていきます」と意気込んだ。

ここまでの調整については「正直、大変でした。練習どころではなかったと言っても過言ではないくらい大変だったなと。でも、まずは大きなけがなく健康で来られたのは良かった。大切なこと。まだ1日あって試合なので。1日をうまく使って。本番まで時間は十分あると思うので、うまく自分が、いい演技ができるように持っていきたいなと思います」と話した。

GPファイナル等と違った意味で特別な舞台では、との問いには「とりあえずは大きなけがなく、こなそうと自分の中では位置付けています。もちろん世界選手権や4大陸選手権の選考会ということもあるので、いい演技をしたい気持ちは強くありますけど、体調しっかりして、最大限の実力を発揮できるように、いろいろ頑張ります」

フリーの構成については「今のところは普通通り、かなと思ってます。(4回転ジャンプは)ルッツ抜いてループ、サルコー、トーループ2本で(トリプル)アクセル(3回転半)2本」と明かした。

その後は疲労について具体的に聞かれ「疲れているのも、もちろんあるけど、回復させ方も勉強になったし、久々の3連戦。いろいろ考えさせながら練習をしたり、日々を過ごしたりしたかな。練習に行けなかったことはないです」。コーチについては「ジスランとブライアンが来てくれてます」と笑顔を見せた。

高橋との再会については「緊張して全然、覚えてない。恐れ多くて」と笑い「久しぶりだねと。スケーターとしてのオーラがあったなと思ってます」と振り返った。

GPシリーズなどと違う今大会のテーマには「とにかく大きなけがをしない。疲れてることは間違いないので。でも言い訳にしないような演技をしたい。ここだけのために合わせてきた選手もたくさんいるし、敬意を持って。その方々に失礼にならないように全力の演技でぶつかりたい」と抱負を語った。