東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で来夏に延期された五輪の聖火リレーについて、47都道府県を121日間で回る当初日程を原則維持する方針を固めたことが19日、分かった。大会と同様に1日前倒しの来年3月25日、福島・Jヴィレッジを出発する計画で再び準備を進めていく。

一方で大会関係者によると、今後の感染状況によっては日数を含めた実施形態の見直しの可能性がある、との条件付きという。

組織委は延期決定後、追加コスト削減のため聖火リレーの簡素化も検討してきたが、全国の各市町村や綿密に組まれた既存ルートを尊重。仮に日程やコースを短縮し、自治体の選別が必要になった場合に調整が難航を極めること、スポンサーへの配慮、既に方針を示している約1万人の聖火ランナーの権利維持などを勘案した結果、今夏に予定されていた枠組みを基本的に保つ方向で議論がまとまった。

セレブレーションなど各地で日々行われる到着式典の規模縮小については、引き続き、各都道府県の実行委員会と簡素化を協議していく。

聖火リレーは今年3月26日にJヴィレッジをグランドスタートする計画だったが、新型コロナ禍で3日前に状況が激変。サッカー女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会(11年)を制した、なでしこジャパンの優勝メンバーが務めるはずだった第1走者の実施見送りが明らかになり、翌日の出発2日前には大会延期が決定。それに伴い、56年ぶりの聖火リレーも中止に追い込まれていた。