全国高校総体の代替大会となった全国大会「立川立飛・元日相撲」が1日、東京・立川市のグリーンスプリングス内ステージガーデンで行われ、鳥取城北高の落合哲也(2年)が“高校横綱”に輝いた。

1回戦から危なげない内容で勝ち上がり、6試合目となった決勝では同学年で埼玉栄高の竹田章一郎(2年)を寄り切って栄冠を手にした。右で張って左を差すと、出足に任せて一気に勝負を決めた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年度は多くの主要大会が中止になっていただけに「試合がなくて(鳥取)城北相撲部の強さを見せつけることができなかった。去年(2020年)も試合があったら『城北が強い』と思われたかったので、うれしい」と喜びを語った。

一方で、コロナ禍で主要大会が中止になっても「長い目で見た目標があるので(大会が)なくなっても今できることをやろうと思った」と、気持ちを切り替えていた。その目標は、将来的にプロになって「横綱になること」。長い相撲人生を考えると、気持ちは自然と前を向いた。

鳥取・倉吉市生まれで、相撲を始めたのは小2のとき。「男と男が武器を持たずに1対1で戦うことに魅力を感じた」。強烈なぶちかましで“猛牛”の異名を取った元横綱琴桜と同じく、同市の成徳中に通った。「当時は分からなかったが、相撲をやっていくうちに(琴桜の存在は)ものすごいんだなと知った」という。自身も175センチ、145キロと上背はないものの、当たりの強さは“猛牛”をほうふつとさせる。

好きな力士は史上最多の優勝回数を誇る横綱白鵬。「適応力がある。どんなときでも慌てない」。自身も基本は立ち合いのぶちかましを持ち味とした押し相撲だが「(得意とは)違うかたちになって負けるのがいや」と、四つ身での取り口も意欲的に習得しているという。決勝では張り差しで相手の出足をうまく止め、引き出しの多さをアピール。得意のぶちかましを選ばなかった理由については「今日は本気で頭から当たる相手がいなかった」と説明。“ビッグマウス”もさえ渡った。

来年度は高校最後の年になる。「2021年はもっと強くなって『バケモノ』に近づけるようになりたい」。飛び抜けた実力を追い求める。