天理大のCTBシオサイア・フィフィタ(4年)が日本一に貢献した。前半41分、ゴール前5メートルでボールを受け取った際、寄せてくる相手に反応し、CTB市川に素早くパス。トライのお膳立てをした。さらに、後半33分、相手を引きずりながら前進し、後ろから来たFB江本へ絶妙なアシストをして追加点を奪った。「この大会に向けて、周りを使うことを意識していていました」と振り返った。

日本航空石川高へ入学時、日本選手と比べても細かった。トンガでは1日3食の習慣がない。2食しかとらない日もあった。主食は芋と肉。食生活を見直し、大きくなった。天理大OBで母校のシアオシ・ナイ監督(31)は「サイア(フィフィタ)が来たときはガリガリ。でも、1カ月で体が大きくなった」と語った。

高校時代はパスやキックをせず、タテに突っ込むばかり。だが、サンウルブズでも成長し周りを生かすことを学んだ。フィフィタは「優勝するなら15人で戦わないといけない。1人でいっても、スペースもなくなる。スペースがあるところにボールを運ぼうと思いました」。23年ワールドカップ(W杯)日本代表を目指す逸材はトップチャレンジの近鉄、共に汗を流してきたフランカー松岡主将はトップリーグのNTTドコモ入りが有力。関西から再び、次の夢を追う。