2大会4年ぶり3度目の優勝を狙う日本男子の宇野昌磨(23=トヨタ自動車)が午前の回に登場し、大技の「トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)-4回転トーループ」を着氷した。

この日、大会事務局を通じて発表した予定演技構成表で、フリーの冒頭に3回転半-4回転トーループを組み込んでいた。3月の世界選手権から変更し、高難度連続ジャンプに挑むと、まずは3回転半をキレイに決める。続けた4回転トーループも、ややバランスを崩しながら降り切った。

前回2年前の世界国別対抗戦で初挑戦し転倒していた、基礎点17・5点(3回転半8・0点+4回転トーループ9・5点)の連続ジャンプ。午後はフリー曲「ダンシング・オン・マイ・オウン」をかけて挑戦。3回転半-4回転トーループは転倒したが「この連続に挑んでいる瞬間だけは楽しかった。回れているとは思う。その分、ほかのジャンプがうまくいっていない部分があるので、試合までに調整したい」と話した。

3回転半-4回転トーループを投入する意図については「今の僕の構成だと全く意味ないんですけど、今後もし4回転サルコー、4回転ループを入れられたらフリーで生きてくる。その時のために試合で試したかった」と説明。「やってて思ったのは、ジャンプの踏み切り方とか明らかに、ほかの4回転ジャンプより力を使うんですけど、なぜアクセルからトーにいけるのか、と思ったりもして。練習をすることによって、ほかのジャンプも簡単になればいいな、とも思って」と自身への影響について実感を込めた。

ジャンプの構成を決めた経緯については「お父さんと話している」と明かし「リスクに対して点数が見合ってないよね、とか話していた。でも4種類のジャンプが跳べた時、フリーで生きてくるという話になった」。19年の国別対抗でも挑戦した大技について「前回は後半に入れた。今回は冒頭。この試合に入れることによって練習しますし、いつまでも後回ししちゃうと、いつまでもやらない。やれる時にやっておこうと思いました」と話した。

午前の曲かけはショートプログラム(SP)の「グレート・スピリット」を選択。冒頭、4回転フリップが2回転になり、続く4回転トーループもバランスを崩して予定の2連続につなげられなかった。最後のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も、体を締め切れず1回転半になった。その後のステップシークエンスで転倒した。調整に苦しんでいるように見えたが、その後に3回転半-4回転トーループを着氷してみせていた。

羽生結弦(26=ANA)とともに日の丸を背負う男子のショートプログラム(SP)は15日午後6時25分から、フリーは16日午後6時10分から始まる予定となっている。

スケート靴が壊れたという情報には「ものすごく影響がある」と笑顔で認めつつ、今季最終戦へ。チーム戦なので「少し、お楽しみ要素のある試合」という感覚で「今回はコンビネーションちゃんと跳びたい。皆さんに迷惑を掛けないように、試合は頑張ります」と気負いなく言った。【木下淳】