世界2位の大坂なおみ(23=日清食品)が、4大大会出場停止となる可能性が出てきた。センターコートの開幕戦に登場し、苦手の赤土ながら、同63位のパトリチアマリア・ツィグ(ルーマニア)に6-4、7-6のストレート勝ち。コート上での勝利インタビューに答えたが、大会前の宣言通り、試合後の記者会見を拒否。この行動に対し、4大大会委員会は「違反を続けると大会からの追放、4大大会出場停止もあり得る」との声明を出し、1万5000ドル(約165万円)の罰金を科した。大坂は2回戦で同102位のアナ・ボグダン(ルーマニア)と対戦する。両者は初対戦となる。

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大坂の言動が、最悪の結果を生むかもしれない。大会と4大大会委員会は、罰金とともに、大坂に重大な警告を与えた。

この日、長文の声明文を公表。その中で、「宣言を受けて、主催者は大坂に再考を求めて、話をしようとしたがうまくいかなかった」としている。その結果、「4大大会は合同で大坂に手紙を送り、彼女の健康状態の確認とサポート、そして対話を提案した。ただ、規則はすべての選手に平等に適用されることも付記した」と歩み寄ったという。

しかし、それでも大坂は会見を拒否したため、罰金を科した。声明では「4大大会にとって、選手の精神的な健康は最も重要なこと」と強調する。しかし、「規則の重要な中核をなすのは、試合の結果にかかわらず、選手がメディアと関わりを持つ責任」があるとも記した。

そして「これ以上、メディアへの義務を無視続けると、さらなる規則違反につながる可能性がある」と大坂に伝えたという。「当然ながら、違反を繰り返すと、大会からの追放、多額の罰金や4大大会への出場停止につながる厳しい制裁を受ける」と警告している。 試合後、地元フランス男子のスター選手だったサントロ氏から勝利者インタビューがあると告げられ、大坂は、コート上で応じた。「勝てたのはうれしい。もっといいプレーがしたいし、1戦1戦ごと頑張りたい」と話した。

しかし、多くの国内外の記者が要請した会見は正式に拒否。会見場に姿さえ現さなかった。2回戦は6月2日の予定だが、それまでに大坂サイドは歩み寄ることができるのか。赤土を克服する以上の、テニス人生をかけた大きな壁に直面した。