東京オリンピック(五輪)バスケットボール男子日本代表候補のロシター・ライアン(31)が、Bリーグ1部(B1)アルバルク東京に移籍することが20日、分かった。

21日にも正式発表される見通し。今季までプレーした宇都宮ブレックスからの退団が決まっており、移籍先が注目されていた。

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東京五輪での活躍を期すロシターが、新天地にA東京を選んだ。3連覇を逃したビッグクラブにとって、覇権奪回への大きな補強。Bリーグの規定では外国籍選手の登録や同時出場可能な人数などに制限があるが、日本国籍を取得しているロシターは別枠扱いとなる。すでにB1千葉からの加入が発表されているセバスチャン・サイズや、A東京の大黒柱であるアレックス・カークらとの共演は、対戦相手の脅威となる。

今季のA東京は守備力が低下し、高さ不足も課題とされた。ディフェンスへの意識も高いビッグマンとして、ロシターはまさに補強ポイントを埋める存在だ。

日本代表候補の安藤周人をB1名古屋Dから獲得するなど、オフに着々と補強を進めるA東京。有力選手が顔をそろえる中で、強いリーダーシップを持つロシターには、スター軍団をまとめる役割も期待される。

米国出身のロシターは13年に栃木(現・宇都宮)に入団。身長206センチの高さを生かした得点力やリバウンド力、さらには守備力を武器に、パワーフォワードやセンターのポジションで活躍。15-16年シーズンにはNBLのシーズンMVPを獲得した。

来日8年目の今季は56試合の出場で1試合平均12・9得点、7・6リバウンドをマーク。チームをレギュラーシーズン東地区首位に導き、プレーオフのチャンピオンシップ準優勝に貢献した。

19日までは日本代表の一員として、アジア杯予選が開催されたフィリピンに遠征。最終戦の中国戦では両チームを通じて唯一30分以上コートに立ち、15得点、4リバウンドと活躍。6アシストに3スチールも記録するなど存在感を示した。

15日に宇都宮との契約満了が発表された際には、「ブレックスのユニフォームを着たすべての日々が自分の宝」と感謝の意を表し、「私はここに来た時より、より良い選手になるためにブレックスを去ります」とコメントを寄せていた。

◆ロシター・ライアン 89年9月14日生まれ、米ニューヨーク州出身。同州シエナ大から仏リーグ、NBA下部リーグ(現Gリーグ)でのプレーを経て、13年より栃木(現・宇都宮)に入団し、主力として活躍。19年12月に日本国籍を取得し、アジア杯予選の日本代表に選出された。ポジションはパワーフォワード兼センター。身長206センチ、体重105キロ。左手首には、故・相田みつを氏の詩から引用した「いまここ」のひらがな4文字のタトゥーを入れる。