味の素冷凍食品は25日、都内で記者会見を開き、新ブランド「For ATHLETE」の立ち上げと、トップアスリートにも提供されているギョーザ2品種を同日から公式オンラインストアで発売すると発表した。

試合前に適した、炭水化物やビタミンB1を多く摂取できる「エナジーギョーザ」と、試合後や調整期にタンパク質やビタミン類を多く取りたい人に向けた「コンディショニングギョーザ」の2種。味の素グループが03年から取り組むトップアスリート強化支援事業「ビクトリープロジェクト(VP)」で得た知見を生かし、選手の声を受けて開発した。

アスリート100人に尋ねたところ「91%」が「ギョーザが好き」と回答したといい、実際に東京オリンピック(五輪)の卓球で金銀銅メダルを獲得した伊藤美誠らに試食してもらいながら作り上げた。生姜(しょうが)ギョーザ好きの伊藤からは、同社の手軽な冷凍ギョーザに対して「何個でもいける。皆さんも食べてくださいね。超うまいから」と絶賛のコメントが寄せられた。

味の素の栗原秀文VPシニアディレクターは、フィギュアスケート男子で冬季五輪2連覇の羽生結弦ともコミュニケーションを取る中で「ギョーザが好きっす! 何個でも食べられますよ」という声をもらい「分かった!」と火がついた。自宅で夫人との手作りから始め、味の素冷食の岩崎裕新事業開発部マネジャーにも相談。開発に着手するまで通常1カ月は掛かる諸手続きが「(本来は数多く必要な)申請書類ゼロ。想像を絶するスピードで実質2日間で」(岩崎氏)で20種類ほどの試作品から絞り込む段階に進んだという。アスリートとの約束として一気に形になった。羽生も既に実食したという。

「For ATHLETE」エナジーギョーザは、豚肉や鶏肉を使った中具を米粉の皮で包んでおり、適度な辛さの豆板■(将の旧字体の下に酉)も入って食欲増進に効果的。米粉ということで効率よくエネルギーを補給でき、同時に炭水化物を摂取するという意識付けもできるという。

「For ATHLETE」コンディショニングギョーザは大豆、鶏肉に7種の野菜(キャベツ、ニラ、ニンジン、タマネギ、カボチャ、ショウガ、ホウレンソウ)が入っており、タンパク質と野菜を手軽に、脂質も取り過ぎずチャージできる。ともに油、水なしで調理可能だ。

また、今月8日まで開催された東京五輪の選手村では、同社の冷凍ギョーザが「世界一おいしい」「金メダル」と各国選手から称賛された。前日24日に開幕したパラリンピックでも同じ冷凍ギョーザがメニューに入っており、五輪と合わせて計60万個が提供される予定だ。

その「新ギョーザ」はスーパーマーケット等で一般販売されている商品だが、今回の2品種はアスリートや部活生、運動好きに向けた“高機能”食品。エナジーギョーザは30個入り袋(525グラム)で1200円、コンディショニングギョーザは30個入り袋(720グラム)で1500円(ともに税込み)で、公式オンラインストアで25日から販売される。

(https://shop.ffa.ajinomoto.com/)

五輪期間中、金メダルを量産した日本選手団が実際に食べていたギョーザが家庭でも楽しめる。【木下淳】