東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は31日、先月23日に行われた五輪開会式の開会宣言時に起立を促すアナウンスがなされなかった件の経緯について訂正した。

大会名誉総裁の天皇陛下が五輪の開会を宣言された際、隣に座っていた菅義偉首相や小池百合子都知事らが着席したままで、途中から慌てて立ったことで物議を醸していた件について「再度詳細に確認した」として以下のように説明した。

「当初、天皇陛下の開会宣言の際に起立を促すアナウンスが予定されており、資料・台本等にもその記載があった」

「その後(国際オリンピック委員会)バッハ会長のスピーチの草稿の検討段階で、バッハ会長が陛下に開会宣言のスピーチをお願いする内容が盛り込まれ、起立を促すタイミングがなくなった」

「その結果、起立を促すアナウンスはなくなり、最終的な当日の台本からは削除された」

「なお、パラリンピックの開会式においては、起立を促すアナウンスを行った」

組織委は7月27日の定例会見で、高谷正哲スポークスパーソンが「台本では、天皇陛下の開会のご宣言の前に『皆さん、ご起立ください』というアナウンスを予定していた」。しかし、バッハ会長のスピーチの最後に「開会宣言をお願いします」との発言が盛り込まれ「そのままの流れで開会宣言に入ってしまい、アナウンスするタイミングがなくなってしまった」と調査結果を報告していた。

この点について、前日30日の会見で質問されて再確認。正式な経緯を示した上で「当初お伝えしていた内容と異なる点については、誠に申し訳ありません」と再び謝罪した。