世界ランキング3位の大坂なおみ(23=日清食品)が「しばらく競技から離れようと思っている」と休養を取る意向を示した。シングルス3回戦で同73位のレイラ・フェルナンデス(18=カナダ)に7-5、6-7、4-6で逆転負けして2連覇を逃した。会見では涙を浮かべながら「次にいつ試合に戻ってくるか正直分からない」と話した。残りのツアー大会を欠場し、精神面の問題に苦しんだ今季をこのまま終える可能性が出てきた。

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2連覇を狙った大会で17年以来の3回戦敗退に終わった大坂は、試合後の会見で涙ながらに話した。「正直、自分が何をしたいのか考える時期にきていると感じている。次にいつテニスの試合に戻ってくるか正直分からない。しばらく競技から離れようと思う」。このまま今季終了となる可能性が高いと受け取れるような発言を続けた。

新鋭フェルナンデスの強気のプレーに屈した。第1セットは先取したが、ミスが増えた第2セットではイライラが目立つようになった。タイブレークではフォアハンドでミスを連発し、何度もラケットをたたきつけて怒りをあらわにした。第2セットを落とすと気持ちを切り替えられなかった。第3セットは第1ゲームをブレークされて後手に回り、18歳のサウスポーに押し切られた。

最終セットの途中にはボールを観客席に打ち込んで警告を受ける場面もあった。会見で、その行為について問われると「理由は分からない。冷静になろうと言い聞かせていたけど、沸点があったのかもしれない」とうなだれた。「いつもはチャレンジが好きだが、最近は思い通りにならないと不安を感じてしまう。最近は勝っても楽しくない。もっと安心感を得たいと思う。だけど負ければ悲しい気分になる。とても普通じゃない」と吐露した。

今季は全豪オープンで2度目の頂点に立ったが、全仏オープンでは精神的負担を理由に記者会見を拒否して2回戦を棄権し「うつ」に悩まされてきたことを告白した。聖火台への点火者を務めた東京五輪まで約2カ月間、実戦から遠ざかった。今大会前にはSNSに「私自身や、私が達成してきたことをもっと褒めたたえたい」などと記していた。完全復活には時間を要することになりそうだ。