競泳男子の瀬戸大也(27=TEAM DAIYA)が、肖像権を自身で管理するプロスイマーになった。23日、日本水連に預けていた肖像権について、管理の除外認定を申請し認められた。

競泳では北島康介、萩野公介、渡辺一平に続く4人目。今後は日本水連の補助があった遠征、合宿の費用が原則として自費となる代わり、商業活動の制限が緩和される。プロスイマー瀬戸としてパリに向かう。

瀬戸が、パリ五輪で輝くため、覚悟のプロ宣言をした。この日、日本水連の理事会で、肖像権除外認定が承認された。瀬戸は、後進のためにも自立したプロスイマーの道を歩み出す。

瀬戸 今までいろんなところで日本水連のサポートをしてもらいました。今後はしっかりと自立して、自分の強化は自分でやると覚悟を持ってやっていく。自分の分(強化費)は他の選手に回していただきたい。ジュニア選手の可能性も広がる。自分も子どものころに、日本水連の強化合宿で刺激を与えてもらった。

今後は合宿、遠征費を原則、自費で賄う。活動費はトップ選手で年間800万円近く(推定)になる場合がある。一方で最近は競泳国際リーグ(ISL)など賞金レースも増加。レースを重ねて強化する瀬戸にとって環境が整いつつあった。16年にはW杯を転戦して約1000万円の賞金を得た。ただそれは活躍し続けることが前提で、いわば退路を断っての挑戦になる。

瀬戸 きれいごとじゃなくて、しっかりと賞金レースで結果を出して、競技レベルを上げていきたい。ISLで感じたのは米国は代表クラスでもいろんなことを自分でしている。自分は日本にいると、いろんな方が手を差し伸べてくださってありがたいことですが、そこに甘えている部分もいる。もっと自分を研ぎ澄ませたいし、世界トップのトレーニングも見てみたい。

瀬戸は現在、単身でドーハ、ロシアとW杯を転戦。その後は米国での武者修行を予定する。その上で将来的にやりたいこともある。

瀬戸 次世代の子たちに最新のトレーニングをクリニックなどで伝えたい。自分の経験を幅広く。プロになることで、水泳教室も自由度が広がると思う。もちろん今後も日本水連の普及活動などには積極的に参加させていただきたいです。

決意のプロ宣言。優佳夫人から「とにかくパリまで自分が好きなように競技をやってみたら」といわれ、感謝している。日本水連との協力関係を維持しつつ、プロとして自立した存在になることは後に続くスイマーたちにとり、モデルケースになる。【益田一弘】