ショートプログラム(SP)首位の友野一希(23=セントラルスポーツ)が、海外勢が参加するGPで3年ぶりの3位に入った。フリー5位の168・38点で、自己ベストの合計264・19点。優勝したクビテラシビリ(ジョージア)に2・14点及ばなかったが、3枠の22年北京五輪代表入りへ自信を深めた。26日の女子SPではシニア1年目のカミラ・ワリエワ(15=ロシア)が87・42点の世界歴代最高点をたたき出した。

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両手を挙げた決めポーズをほどき、友野がほほ笑んだ。頭に手をやり、今度は悔しさが込み上げた。SP首位の立場で臨む最終滑走。冒頭の4回転-3回転の連続トーループ、2本目の4回転トーループも決めたが、中盤以降はこらえるジャンプが目立ち、トリプルアクセル(3回転半)で転倒した。記者会見での第一声は「メダルが取れてうれしい」。18年大会の3位と比べて「実力で取った表彰台。前回と違って、表彰台に乗れても悔しい思いがある」と正直に明かした。

4年前、シニア1年目ながら平昌五輪代表候補に挙げられた。「五輪に行く」-。そうは言ったものの、のちに本音で振り返った。

「(田中)刑事くんだったり、上の選手に挑戦する立場。『もしかしたら…』っていうレベルでした。よく考えてみると、ジュニア時代からプレッシャーに打ち勝てていない。成長して殻を破らないといけない」

北京五輪の切符は前回同様に3枚。羽生結弦、宇野昌磨、鍵山優真、佐藤駿ら、周囲に実力者が集う。それでも確かな実感がある。

「次の段階にステップアップできた。この悔しさをバネに頑張りたい」

次の舞台は年の瀬の全日本選手権(埼玉)。新たな自分を見せる。【松本航】