GP2連勝を飾ったカミラ・ワリエワ(15=ロシア)が、ショートプログラム(SP)、フリー、合計点で世界歴代最高点をたたきだした。SP87・42点、フリー185・29点、合計272・71点。その得点のすごさをまとめた。
◆GPシリーズ初! 男子全選手の得点上回る
今大会の男子を制したのは同じエテリ・トゥトベリゼ・コーチの指導を受けるモリス・クビテラシビリ(26=ジョージア)で合計266・33点。その得点を6・48点上回った。03年に現行制度となったGPシリーズにおいて、初めての出来事となった。
◆男子に換算すると…
SPで4回転ジャンプを組み込めない女子。それだけでなく演技構成点はスケーティング技術など5項目(各10点満点)をSPは0・8倍、フリーは1・6倍した点数となる。男子の場合はSPがそのまま(1倍)、フリーが2倍となる。
今回のワリエワの演技構成点を仮に男子に換算するとSP46・81点(技術点49・97点と合わせて96・78点)。フリー95・34点(技術点109・02点と合わせて204・36点)。合計点は301・14点となり、ネーサン・チェン(米国、335・30点)、羽生結弦(ANA、322・59点)に次ぐ高得点となる。
◆他の女子選手と合計点で25点以上の差
◇合計点歴代3傑
〈1〉カミラ・ワリエワ(ロシア)272・71点※21年GPロシア杯
〈2〉アリョーナ・コストルナヤ(ロシア)247・59点※19年GPファイナル
〈3〉アンナ・シェルバコワ(ロシア)241・65点※21年世界国別対抗戦
◇SP歴代3傑
〈1〉カミラ・ワリエワ(ロシア)87・42点※21年GPロシア杯
〈2〉アリョーナ・コストルナヤ(ロシア)85・45点※19年GPファイナル
〈3〉紀平梨花(トヨタ自動車)83・97点※19年世界国別対抗戦
◇フリー歴代3傑
〈1〉カミラ・ワリエワ(ロシア)185・29点※21年GPロシア杯
〈2〉アレクサンドラ・トルソワ(ロシア)166・62点※19年GPスケートカナダ
〈3〉アンナ・シェルバコワ(ロシア)165・05点※21年GPイタリア大会
【カミラ・ワリエワ】
◆生まれ 2006年4月26日、ロシア・カザン
◆スケート歴 09年に始める。現在はモスクワを拠点とし、名コーチであるエテリ・トゥトベリゼ氏に師事。ジュニア1年目の19-20年シーズンはジュニアグランプリ(GP)ファイナル、世界ジュニア選手権の世代2冠。
◆趣味 ダンス、お絵描き
◆今季プログラム SP=イン・メモリアム
フリー=ボレロ
◆エテリ組 世界的指導者エテリ・トゥトベリゼ・コーチの下では、これまでにも多くの名選手が活躍してきた。スケート年齢(6月30日時点での満年齢)に当てはめると以下の通り。
◇2学年上 アンナ・シェルバコワ(17=21年世界選手権優勝)、アレクサンドラ・トルソワ(17=21年世界選手権3位)、アリョーナ・コストルナヤ(18=19年GPファイナル優勝)
◇4学年上 アリーナ・ザギトワ(19=18年平昌五輪金メダル)
◇6学年上 エフゲニア・メドベージェワ(22=18年平昌五輪銀メダル)
◇8学年上 ユリア・リプニツカヤ(23=14年ソチ五輪団体戦金メダル)