バスケットボールB1千葉Jの監督を退任した大野篤史氏(44)が、B1三遠の新監督に就任することが確実となった。複数の関係者への取材で、23日までに明らかになった。7月1日発表の方向で調整されている。

千葉Jを強豪チームに導いた名将が、下位に低迷する三遠を立て直す。大野氏は16年に千葉J監督に就任。17年から天皇杯3連覇、20-21年シーズンにはクラブ初のリーグ制覇などの実績を持つ。優れた戦術と論理的な指導で、選手からの人望も厚い。

6年間指揮を執った千葉Jとの契約を先月に解除。千葉Jは「大野監督本人から申し出があり、双方合意のもとで契約解除となりました」。大野氏はクラブを通じて「もう少し、ヘッドコーチ(監督)として新たな旅を続けようと思っています」とメッセージを寄せていた。

三遠は今季西地区11チームの最下位に低迷するなど、不振が続く。今年6月には、かつて千葉Jの営業職で腕を振るい、スポンサー企業拡大に貢献した牛尾信介氏(40)が新社長に就任。“千葉ライン”による交渉を経て、名将就任が実現する見込みだ。

母体となるオーエスジーは今年、創業85周年を迎える。26年から始まる昇降格のない“新B1入り”を見据え、フロントと現場を一新させて抜本的な立て直しを図る。

千葉Jは22日までに、アシスタントコーチやトレーニングコーチら複数のスタッフが退団することを発表。その多くは三遠に移り、大野氏をバックアップするとみられる。

◆大野篤史(おおの・あつし)1977年(昭和52)8月12日生まれ、石川県出身。日体大から00年に三菱電機に加入し、JBL初代新人王を受賞。日本代表にも選出された。パナソニックでもプレーしたあと引退。パナソニックや広島でアシスタントコーチを務めるなどした後、16年にB1千葉J監督に就任。17年から天皇杯3連覇、20-21年シーズンにはクラブ初のリーグ制覇を果たした。

◆三遠ネオフェニックス オーエスジーバスケットボール部を母体とし、JBL時代のチーム名はオーエスジーフェニックス東三河。bjリーグでは浜松・東三河フェニックスの名称で、静岡県浜松市と愛知県豊橋市などを拠点とした。Bリーグ初年度の16年よりチーム名を三遠ネオフェニックスに変更。本拠地を豊橋市に置き、東三河から遠州地域を活動エリアとする。マスコットは不死鳥の「ダンカー」と「アリー」。