フィギュアスケート男子で3月の世界選手権で初優勝した宇野昌磨(24=トヨタ自動車)が「大人化」を誓った。

29日に都内で、19年からブランドアンバサダーを務めるミズノによるスペシャルトークライブに出演。「僕は去年、やっとあきらめるという気持ちがとても大事だと気づかされた」と心境の変化を語った。

話題は自ら「ベテラン」とする年齢について。若年層の活躍が続くフィギュアスケートでは、20代中盤にして、年長の自覚がある。これからも長く現役生活を続けるために、注意するのが体調面だ。

「若い時はきつい時に頑張るのがアスリートだと考えていたんですが…」と振り返る。体力がない状態でも、奮い立たせて成功を目指す。それは確かに1つの成長の源ではあった。

ただ、いまは考え方が変わった。「できない時にできるように努力する。そういう焦りが一番ケガにつながることが多いと気づかされた」。次の機会に、体調を考えながら挑戦する。その選択、切り替えをできるようになってきたという。それを「大人な向き合い方」と定めた。

2月の北京五輪では銅メダルで、18年平昌五輪の銀に続く2大会連続のメダルを獲得。世界王者にも輝いたが、「1回忘れて、再びここからスタートできる気持ちで頑張りたい」と7月からの来季をにらむ。

ルール改正も行われたが、「大きな変化はないかな」と印象を持った。連続ジャンプの後半にアクセル系を跳んでも減点がなくなることには「得意なのでラッキーという気持ち」と歓迎。「その手があったか、という選手も現れると思う。取り入れられるものは取り入れたい」と貪欲に成長を期す。

調整法も思案しながら、体と心を向き合い、新シーズンを滑りだす。