北京パラリンピックの開会式で日本選手団の旗手を務める陸上男子の鈴木徹(山梨県)が、会場となる国家体育場(愛称・鳥の巣)のサブグラウンドで調整を行った。3日に陸上チームのしんがりで北京入り。「日本と気候に差がなく、過ごしやすい。良い練習ができた」とさわやかな笑顔を見せた。

 走り高跳びで2メートルの自己ベストを持つメダル候補だ。義足を着ける右脚とは逆の、左ひざの故障から8月に復帰。約1年ぶりの試合となった神奈川県の競技会で1メートル95を跳んだ。「絶好調とは言えないが、徐々に上がっている感じ」。開幕前の好結果に手応えも上々だ。

 走り高跳びのほか、400メートルリレーにも出場する。北京五輪男子400メートルリレーでの日本の銅メダル獲得に刺激を受け「僕らも続きたいと、みんなで言い合っている」。4日の練習では他のメンバー3人とバトンパスの練習に時間を割いた。「日本は走力がないので、バトンでどれだけ攻められるか」と五輪の再現を目指す。

 6日に控える開会式では旗手の大役が待っている。鈴木は「プレッシャーに感じず、胸を張って歩きたい」と力を込めた。