国際オリンピック委員会(IOC)は28日、昨夏の北京五輪のドーピング検査で採取した検体を再検査した結果、6選手から7件の陽性反応があったと発表した。禁止薬物はいずれも五輪後に検出方法が確立された新型のエリスロポエチン(EPO)だった。

 IOCは当該の国内オリンピック委員会(NOC)を通じて各選手に通達し、正規の聴聞会などを経て違反が確定するまで個人名は公表しない方針。だが、AP通信によると、バーレーン・オリンピック委員会は陸上の男子1500メートルで金メダルを獲得した同国のラシド・ラムジが含まれていることを明かし、イタリア・オリンピック委員会も自転車の男子個人ロードレースで銀メダルを獲得したイタリアのダビデ・レベリンが陽性反応を示したと認めた。

 AP通信は、残る4選手のうち2人が陸上、1人が自転車、1人が重量挙げとしている。日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は28日までにIOCから連絡がないことを明らかにし、英国、オーストラリア、ニュージーランド、韓国のNOCもIOCから何の通知も受けていないとした。

 持久力を高める効果がある新型EPOは、パリの研究機関が検出方法を開発。IOCは同じく五輪後に検出が可能になったインスリンとともに、陸上、水泳、自転車、ボートの持久力系種目を中心に計948検体を再検査した。