アジア・オリンピック評議会(OCA)のアハマド会長は3日、シンガポールでの総会で、4都市が争う2016年夏季五輪招致で東京を支持する意向を表明した。東京や自らの立場を考慮して「全面支援」や「宣言」などの強い表現をあえて避けながらも最大限に支援する姿勢を見せた。

 ソフトな支持表明は、他大陸の国際オリンピック委員会(IOC)委員を刺激しないためだ。107人のIOC委員のうちアジアは22人と少ない。OCA関係者は「東京は欧州など他の大陸票が必要。これ以上ハードにすると他大陸の委員の気分を害して東京のダメージになる」と説明する。

 アハマド会長はIOC委員でもあり、東京の関係者は「1都市の支援を打ち出せば、公平や平等というIOC委員としての倫理上の問題が生じる可能性もあった」と明かした。シンガポールではこの「非常に微妙な問題」(OCA関係者)をめぐり、東京とOCAは何度も話し合った。東京都の石原慎太郎知事は「会長の立場もあるでしょう」と思いやり、OCAとして支援を「決議するような問題でもない」と話した。