石原慎太郎東京都知事は9日、2020年夏季五輪について「わたしの代での責任で東京はアプライ(申請)する」と述べ、招致に名乗りを上げる意向を明らかにした。都庁で記者団の取材に応じた。

 20年五輪には広島、長崎両市が招致を検討しているが、知事は「東京に決まったら広島と共催する」と話した。五輪憲章は共催を認めていないが、一部競技を国内の別都市で開催した例はある。

 東京は先月、16年五輪招致に失敗したばかりで、招致活動の総括も済んでいない。都議会の民主党や共産党など野党には、知事の号令によるトップダウンの五輪再挑戦に否定的な意見が根強いほか、庁内でも今期で退任する知事が招致活動のレールを敷くことを懸念する声が出ており今後、曲折がありそうだ。

 知事は「来年の4月、5月ごろがJOC(日本オリンピック委員会)としては(手続きの)タイムリミット」とし「手続きを踏んでおかないと、20年の可能性は全くなくなる」「名乗りを上げるのはわたしの責任」と語った。

 広島との“共催”については「世界唯一の被爆国で、広島という平和を念願する象徴的な都市と一緒にやることは、IOC(国際オリンピック委員会)の掲げている理念にかなう」とした。

 これに対し、広島市の秋葉忠利市長は「共同開催実現の可能性を検討したい」とする談話を発表したが、市関係者には「都知事の言う“共催”の形が見えず、判断できない」と冷静に受け止める声もあった。

 知事の3期目の任期は11年4月だが、知事は「その次はやりません」とあらためて引退を明言、「次の知事が(立候補を)最終的に決めるんでしょうけど」とも話した。

 民主都議団の幹部は「招致活動の総括も終わっていないし、まず議会に説明すべきだ」と不快感をあらわにし、都幹部は「野党はへそを曲げる。次の知事選の争点になりかねない」と気をもんでいた。(共同)