バレーボール男子のイタリア2部リーグで、越川優が今季から所属するパドバは、レギュラーシーズンを15チーム中8位で終え、8日から1部昇格を懸けてプレーオフに臨む。プレーオフは1つの昇格枠をかけて上位10チームが争う。厳しい戦いを前に、北京五輪で日本のエースを担った男は「これからが本当の戦い」と気持ちを高ぶらせている。

 ここまで山あり谷ありのシーズンだった。9月の開幕から2試合出ただけで左ひざ半月板を負傷し、一度帰国して手術。約1カ月半後に試合復帰を果たしたものの、チームは波に乗りきれず、1月にベルナルディ監督が解任された。

 しかし、頭脳派のモンタニャーニ新監督が就任してから、徐々に歯車がかみ合いだした。2月14日からは5連勝。「セッターにとっさに言いたいことを伝えるのが難しい」と言葉の壁に悩まされてきた越川も、主力に定着し、持ち味のスパイクやサーブで存在感を発揮するようになった。

 越川の能力を高く評価する指揮官は「彼は一流の国際レベルの選手。(苦手の)サーブレシーブも良くなってきた」と評価する。「けがをした分、しっかりチームに貢献したい」。ステップアップを目指して海を渡った25歳は次の舞台に闘志を燃やしている。