1964年東京五輪の開会式や陸上競技で使われ、その後サッカーやラグビーなどでも多くの名勝負の舞台となった国立競技場(東京都新宿区)で27日、初めてのスタジアムツアーが行われ、夏休みの小学生らが普段はのぞけない「日本のスポーツの聖地」の内部に足を踏み入れ、楽しんだ。

 午前、午後で計約80人が参加した。通常の観戦では入れない選手控室で、サッカーの日本代表選手が実際に着用したユニホームと一緒に記念撮影。試合で使用する音楽にのって入場したり、貴賓席での表彰も体験した。

 神奈川県の小学5年生、松本幸樹君は「国立競技場で試合は見たことはあるが、更衣室にまで入ったのは初めて」と興奮の面持ち。子どもと訪れた東京都の小野田克枝さんは「(ピッチへの)入場が音楽もかかって本格的で胸がいっぱいになった」と喜んだ。

 横浜市の日産スタジアムなど、サッカーのJリーグ本拠地競技場でのスタジアムツアーは一般的だ。国立競技場の古泉修事業課長は「国立競技場をより良く知ってもらうきっかけになれば…」と話した。国立競技場を運営する日本スポーツ振興センターはこれを契機に、9月から毎月1度ツアーを実施する。(共同)