<バレーボール:全日本大学選手権>◇6日目◇4日◇東京体育館「ミキプルーンスーパーカレッジバレー2010」第63回男子、第57回女子全日本大学選手権は準決勝を行い、女子は東海大、鹿屋体大、男子は順大、中大が決勝に進んだ。東海大は史上初の2年連続公式戦5冠を狙った男子が準々決勝で姿を消したが、女子が奮起。5日の決勝で12年ぶり6度目の優勝を狙う。

 涙、そして笑顔の快進撃だ。東海大がストレートで日体大を撃破。悲願の全日本王座奪回に王手をかけた。前日に男子がまさかの敗戦。女子はもらい泣きした。そして迎えたこの日、攻撃の2枚看板、吉村志穂(3年、川崎橘高)、近江あかり(3年、京都橘高)が打ちまくった。とくに吉村はレフトから態勢を崩しながら、要所でスパイクを決めた。マッチポイントでは相手ブロッカーの動きを読んでブロックアウト。勝利を決め、試合で最も印象に残った選手MIPに、笑顔で選ばれた。

 「自分がもらえるなんて。“ミスしてもいいから思い切り打て”というみんなの声でがんばれました」という吉村。2日の青学大戦で右太もも肉離れとなり、特大サポーターを着けてゲームに臨んだ。大会前の走り込みの成果もあってか、ジャンプへの影響もなく、最後まで動き続けた。

 試合は第1セット序盤、3-8と日体大にリードを許したが、藤井壮浩監督(37)は慌てなかった。「ここまできたら優勝を狙います。男子のことは気にしません。チームスローガンの“オールアウト”通り、1戦1戦出し切るだけ」と前を向いた。

 男子は順大が前日に優勝候補筆頭の東海大を破った勢いに乗り、全国制覇4度の強豪大商大をセットカウント3対1で撃破。2年連続決勝進出を決めた。ゲームが動いたのは1セットずつを取り、迎えた第3セット。ジュースにもつれ込んだが、大商大がサーブミスで自滅。順大が29-27で振り切ると、第4セットは前半から大きくリードを奪って試合を決めた。蔦宗浩二監督は「せったところで攻めるのがウチの良さ。決勝は順大らしく明るく、東海大さんの分も頑張ります」と、28年ぶり2度目の優勝に向けて自然体を強調していた。

 ▽女子準決勝

 東海大3(25-23、25-21、25-18)0日体大、鹿屋体大3(21-25、25-14、25-22、25-17)1福岡大

 ▽男子準決勝

 順大3(25-20、22-25、29-27、25-18)1大商大、中大3(22-25、25-21、25-12、15-25、15-7)2筑波大