旧ソ連の体操男子エースで、1970年代に体操ニッポンのライバルとして五輪通算7個の金メダル獲得と活躍し、塚原直也(33=朝日生命)を指導したニコライ・アンドリアノフ氏が21日、ロシアの出身地ウラジーミルで死去した。58歳だった。ロシア体操連盟が明らかにしたとロイター通信が報じた。進行性の神経障害を患っていたという。

 80年モスクワ五輪後に引退して指導者に転身。好敵手だった塚原光男(63=現日本体操協会副会長)の招きでソ連崩壊による混乱の母国を離れ、94年から2002年まで塚原副会長が総監督の朝日生命クラブでコーチを務め、04年アテネ五輪団体総合金メダル獲得に貢献した長男の直也を育てた。

 1976年モントリオール五輪個人総合で3連覇を狙った加藤沢男を退けて、金メダルに輝いた。3度の五輪で獲得した15個のメダル総数は、08年北京五輪で競泳のマイケル・フェルプス選手(米国)が塗り替えるまでの、男子の最多記録だった。01年に国際体操殿堂入りを果たした。