<バレーボール:全日本男女選抜大会最終日>◇5日◇大阪府立体育会館◇決勝

 東日本大震災の影響で打ち切りになったリーグ戦ではできなかった胴上げで、石原監督が3度宙に舞った。1956年に同好会として発足したJTが、悲願の初優勝で2冠達成。指揮官は「選手は自分たちが真のチャンピオンだと証明した」と声を上ずらせた。

 リーグでは2007~08年から2シーズン続けて下位に低迷。韓国代表エースの金軟景、山本ら大型補強で再建に成功した。「これで優勝できなかったら、もうバレーの指導者を辞めた方がいいというぐらい、選手はそろっている」と石原監督。決勝は分厚い攻撃陣を日本代表セッターの竹下が自在に操り、サーブで徹底的に崩して相手の武器の速攻を封じた。

 今回の震災で、JTは東日本にあるたばこ工場が大きな被害を受けている。被災地の仙台市出身の山本は「日本が元気になれるようにという思いでプレーした。自分たちの結果で苦しい生活を送っている人を勇気づけたかったので…」と言葉に思いを込めた。