<セーリング:東北大会>◇初日◇16日◇秋田県由利本荘市・本荘マリーナ沖

 東北4県(青森、岩手、秋田、宮城)を舞台に28日に開幕する全国高校総合体育大会への出場権を懸けた大会が始まり、東日本大震災の津波で艇や練習場の大半を失った岩手、宮城、福島からも計10校の約80人が出場し、岩手・宮古高の男子チームがトップに立つなど被災3県の健闘が光った。

 今大会は津波で壊滅的な被害を受けた岩手県宮古市から会場を移し、約1カ月遅れで開催した。岩手からは宮古高、宮古商高の2校、宮城からは気仙沼高、気仙沼向洋高など7校、福島からはいわき海星高が参加。逆境を乗り越え、今季初のレースにたどり着いた宮古商高の熊谷祐成主将(17)は「練習不足だったが、やっぱり楽しい」と目を輝かせた。

 主催者側も教諭が中心となり、全国に艇の提供など支援を求めて大会の実現に奮闘した。開会式では震災の犠牲者に黙とうをささげ、秋田・本荘高の伊東雄大選手(17)が「自分たちの頑張りが東北全体の活力になるよう、精いっぱいやる」と選手宣誓した。

 大会は18日まで行い、男子が9位、女子は6位までが高校総体に出場する。