フィギュアスケート女子の浅田真央選手(20=中京大)、男子の小塚崇彦選手(22=トヨタ自動車)ら国内外のトップスケーターによる慈善アイスショーが27日、東日本大震災の被災者約1400人を無料招待して被災地の青森県八戸市の新井田インドアリンクで開催され、華やかな演技の連続に場内は拍手と歓声で包まれた。

 青森、岩手、宮城の3県から、仮設住宅で避難生活を送る被災者らが貸し切りのバス31台に分かれて会場を訪れた。浅田選手は、被災者を思って作られたプログラムをしっとりと滑り、小塚選手、自らも被災した羽生結弦選手(16=宮城・東北高)らも熱演した。

 津波の爪痕を目にしたという浅田選手は「(観客が)笑顔になってくれて、来て良かった」と話し、前日に祖父の光彦さんを亡くした小塚選手は「僕も寂しいが、今日は楽しんでもらえるように心掛けた」と思いを口にした。

 被災地のスケーターはトップ選手から振り付けの指導を受け、ショーでは夢の共演も実現した。八戸市湊町の竹原勝子さん(66)は「ショーを見るのは初めて。何もかも忘れて楽しめた」と興奮した様子だった。