<バレーボール:女子ワールドグランプリ>◇5日◇韓国・釜山◇1次リーグ

 世界一を目標にする日本にとって、北京五輪で優勝したブラジルは乗り越えなければならない壁。だが王者は強く、高かった。サーブレシーブを乱され、日本が目指す高速バレーの完成は道半ばであることを突きつけられた。ストレート負けに真鍋監督は「サーブレシーブであそこまで崩されたら…」と言葉をのみ込んだ。

 レシーブに定評のある木村に加えてリベロの佐野までが、変化する相手のサーブに苦しんだ。セッターに返球できない苦し紛れの攻撃では、高いブロックに的を絞られるのは当然。セッターの竹下は「相手よりも自分たちの問題。(アタッカーたちに)いい状態で打たせてあげられていない」と表情は厳しかった。

 昨年の世界選手権で3位と躍進した日本。さらに選手層を厚くするため、ことしの海外遠征は5~7月と例年より長めに行い、若手を起用した。11月のW杯を照準にチームの成熟は遅れたが、指揮官は「目指すスタイルの完成に時間がかかるのは分かっていたこと。大会中で何とか間に合わせたい」と長丁場を見据えた。