<ラグビーW杯:日本7-83ニュージーランド>◇16日◇1次リーグA組◇ハミルトン

 ニュージーランドが格の違いを見せつけた。決して力任せの攻撃ではない。黒衣軍は外に内にと自在にパスを放ち、受け手は角度を変えながら日本の防御ラインの間に走り込む。体重106キロのCTBノヌーら体格で上回る選手が見せる素早い動きに、日本はすっかり振り回された。

 前半にCTB周辺を再三突破された日本が中盤の防御を厚くすると、今度は手薄になった外側を突いてくる。桜のジャージーがせっかく相手陣に攻め込んでも、ひとたびニュージーランドがボールを取り返すと湧き出るようなサポートで一気にゴールラインへ。日本は最後までなすすべがなかった。

 ヘンリー監督は「選手がチームの約束事を守り、無理な試合運びをすることがなかった。(初戦の)トンガ戦より、ずっと良くなっている」と試合内容を評価した。一方で指揮官は、無理なパスをインターセプトされて日本にトライを与えたことに「もっとボールを大切に扱わなければならない」と話し、強さの裏には基本プレーに対する厳しさがあることをのぞかせた。