日本体操協会は15日、東京都内で常務理事会を開き、体操ニッポン男子のエース、内村航平(22=コナミ)を来夏のロンドン五輪代表に決めた。10月の世界選手権(東京)で史上初の個人総合3連覇を達成した実績を高く評価し、来春の代表選考会前に異例の早期決定となった。個人総合で金メダルが有力視される同五輪に向け、故障を防ぐなど万全な調整で臨ませる狙いもある。

 内村は長崎県出身。団体総合、個人総合で銀メダルを獲得した2008年北京五輪に続く2度目の代表入りとなった。

 五輪代表は5人。残り4人は来年4月の五輪代表第2次選考会を兼ねた全日本選手権、同5月の最終選考会のNHK杯で決定する。日本協会は内村に両大会の出場を義務付けるかは未定で、遠藤幸一常務理事は「内村は誰もが認める世界王者。(五輪代表決定は)誰が見ても問題ないということ」と説明した。日本協会は07年世界選手権男子代表選考で当時のエース、冨田洋之を早期に代表に選んだ例がある。

 ◆内村航平(うちむら・こうへい)1989年(昭64)1月3日生まれ。元選手の両親が営む体操クラブで競技を始めた。08年北京五輪個人総合、団体総合で銀メダル。11年世界選手権個人総合で前人未到の3連覇、種目別床運動も初制覇。妹の春日は今年の全日本学生選手権女子個人総合覇者。日体大出、コナミ。160センチ、54キロ。22歳。長崎県出身。